杉玉とは?
 
松尾様

「松尾様」とは、酒蔵で祀られているいわゆる"酒造りの神様"のことです。
蔵人が奉る「松尾様」と呼ばれる神様は女神とされており、古来より酒蔵が女人禁制とされてきたのは、蔵に女性が入ると「松尾様」がヤキモチを焼いて酒を腐らせてしまうという言い伝えによるとも言われています。
ちなみに、日本で最も有名な酒造りの神様を祀っている神社として京都の「松尾大社」が挙げられますが、ここでは祭神として"大山咋神"(おおやまくいのかみ)と呼ばれる農耕信仰の守護神と、宗像三女神の一人である"市寸島比売命"(いちきしまひめのみこと)と呼ばれる航海の女神が祀られています。
二神とも本来酒造とは直接関係無く、松尾大社の近くにある秦氏の氏寺に祀られていた「大酒神社」の酒造の神が、"大山咋神"と合祀されるようになったのが酒造の神様たる所以だそうです。
さらに蔵人が松尾大社に祀られている二神を合祀したことで、「松尾様」なる酒の女神となったようです。
酒蔵では、その年の酒造りに「松尾様」のご加護を願う風習として、杉の葉を束ね球状に造った"杉玉"(酒琳=さかばやし)を軒先に吊るします。

 
杉玉 [酒琳]
酒蔵を通りかかったり、見学した事のある人なら見たことがあるはずのこの玉。
酒蔵なら必ず軒先などに吊るしてある"杉玉"と呼ばれるものです。
古来、造り酒屋の看板として杉の葉を束ねて軒先に吊るし、その年の酒造りと酒造の神(松尾様)のご加護を願う風習がありました。
これを"酒琳"(さかばやし)と言って、後に球状に造られたことから「杉玉」と言うようになったようです。
青々とした真新しい杉玉が吊るされると新酒が出来た目印となり、「酒林(杉玉)」が徐々に茶色に変化していくに従い、蔵のタンクに貯蔵されている酒が熟成していく様が演出されています。
月日と共に色が褪せる様は酒の熟成度を表しているかのようでもあります。
 
『酒林』--- 杉玉 --- の由来
杉玉は、古くから酒屋の看板として知られているが、もともとは杉の葉を束ねただけのもので、元来、日本の酒造りの神様とされる大物主大神(おおものぬしのおおかみ)と少彦名神(すくなひこなのかみ)を祀る三輪明神・大神神社(おおみわじんじゃ)(奈良県桜井市)の神木である"杉"にちなんだものとされている。
後に、新酒ができたしるしにとして、造り酒屋や酒を商う店に掲げられるようになったが、"さかばやし"とよばれる由来は、中国では酒屋の看板を「酒屋望子(ぼうし)」と言い、この"ぼうし"が"ばやし"と訛ったという新井白石の説。
また、酒の異名"掃愁箒(そうしゅうそう)"から「酒箒」が転訛したという説などがある。
毎年、新酒のできる頃掲げられる青々とした杉玉は、季節の移り変わりと共に色づいてくるが、それは、新酒の爽やかさから枯淡ともいえる古酒の味わいまで、四季折々に楽しめる日本酒の推移を教えてくれるものでもある。
おもしろいことには西欧でも、酒屋のシンボルとして酒林に似た"毬松"というものを飾っている酒蔵もあるという。
 
参考サイト
福司酒造株式会社 http://www.fukutsukasa.jp
男山株式会社 http://www.otokoyama.com
株式会社西田酒造店 http://www.densyu.co.jp/